インフォリッチ買う~たかが充電、されど充電。社会のインフラへ~

銘柄分析

2024年5月、1Q決算で暴落したところ購入しました。自分が好んで投資する多店舗展開型企業とは違いますが、競争優位性の高さと社会インフラの1つになり得るポテンシャルを評価して投資する決断をしました。

インフォリッチの基本情報
  • モバイルバッテリーのシェアサービス「Charge SPOT」を提供。国内設置シェア率は83%。
  • 社長は香港出身。香港、中国、日本での人脈を生かし2015年創業。2022年上場。
  • 東南アジアを中心に、FCやM&Aで海外展開も急ぐ。
購入前の6つのチェック項目判定
①成長性は15~20%程度あるか〇~◎
②利益率の改善は見込めるか
③競争優位性はあるか
④会社(社長)は投資家目線で信頼できるか
⑤バリュエーションは適切か
⑥銘柄特有のリスクは許容できるか

インフォリッチの成長性について

インフォリッチの「Charge SPOT」は設置台数の増加に伴って、認知・利便性の向上が進み利用者数が増加します。利用者数は設置台数の数に比例するのではなく、一定の設置密度を達成したのち加速していくことが予想されます。

26年度までの中期経営計画では「売上高増加率毎期30%以上」になる計算で、ChargeSPOTもすでに4万6千台設置済みのところ毎期5千台以上増設していく計画です。

ただし、すでに国内設置シェア率83%を誇るサービスは、市場自体がどれくらいあるかが売上成長の焦点になっています。(成長限界がいつくるか)

同社の説明として、先行する中国では400人に1台程度普及していることから、日本では1000人~1500人に1台程度(つまり8~12万台程度)まではカニバリを起こさずに設置できるだろうと予測しています。

国内に限らず東南アジアを中心とした海外展開にも意欲的です。すでにFCやM&Aも行っており、23年度売上15億円のところ26年度には39億円まで拡大させる計画です。

以上のことから、「毎期15~20%成長を3年程度」という投資基準はクリアできると判断しました。(実際にはCharge SPOTに付随したサービス(広告やゲーミフィケーションなど)も成長可能性があると思いますが、保守的にCharge SPOTそのものを考えています)

インフォリッチの利益率について

現状、営業利益率12%程度のところ、将来的には30%程度まで上げられる予測を出しています。

インフォリッチのビジネスはスポット設置に関連する固定費が大きく、変動費は少ないことから顧客(1台当たりの利用人数)が増えれば自然と利益率が良くなります。

利用者が増えたことにより今期は1Q(季節性による閑散期)でも黒字化を達成。成長限界に到達しないかぎり利益率は良くなると考えて問題ないでしょう。

インフォリッチに競争優位性は感じられるか

すでに国内設置シェア率83%を誇り、ネットワーク効果が大きいビジネスであることから競争優位性は揺らぎません。

社長は中国市場(競合が多くレッドオーシャン化・1つの場所に複数社のスポットがある)を研究してから日本でビジネスを始めているため、いかに先行者利益を得られるビジネスモデル・ネットワークづくりをするかに余念がありません。

パートナー企業の垣根を越えて(すでにコンビニ3社に導入されている)設置を推進していることから、大手が新たに参入してくるのも難しそうです。(スタートアップだからこそできたビジネスと言えそうですね)

インフォリッチの社長(会社)は投資家目線で信頼できるか

上場してから2年ほどしか経過していないため情報量はそれほど多くありません。しかし、昨年度の年初計画はしっかり達成できています。

インタビュー動画等を拝聴すると、このCharge SPOTは社長の生い立ちと今までに築いてきた人脈があったからこそできたビジネスであり、ビジネスそのものから社長の人柄が垣間見えます。

また、24年1Q決算説明において「成長鈍化が起こっているのではないか?」という個人投資家の心配に対して、あえて社長からその話題に触れて発言しているところに好感を持ちました。

インフォリッチのバリュエーションについて

グロース企業のためPERは常に高めです。ただし、「たかが充電でしょ」という偏見もあることから他のグロース企業に比べるとPERは低いような感じがします。

購入時PERは20倍でしたが、今後の成長性や再評価される可能性を考えると良いタイミングで投資できたと考えています。(「たかが充電」から「社会のインフラの1つ」という評価になれば・・・)

仮に成長速度が弱まったとしても赤字にはならないでしょうし、財務も問題ないのでPER15 程度が底ではないでしょうか。

インフォリッチへの投資リスクについて

充電が少なくて済むモバイルバッテリーの開発、地政学的リスク、成長限界への早期到達、PERの低下などリスクはそこそこあります。

インフォリッチは自分が好んで投資してきた多店舗展開型企業ではないため(ただし、先行投資をして台数を増やせば利用者が増えていくという循環は同じ)、投資経験の乏しさを考慮してPFの15%を目安に購入を留めました。

PFの15%だとしても会社計画通りに成長すれば大きなリターンになりますし、失敗しても(致命傷にはならない程度の)勉強代だと割り切ろうと思います。

小型株ではあるけれど、国外にも成長の可能性があるビジネスに期待しています!

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