ネクステージへ再投資!経営改革による中古車業界への不信脱却に期待!

銘柄分析

2023年、ビッグモーターやグッドスピード、ネクステージなど中古車業界の不正(それぞれ異なるが)が明らかになり、先行き不透明になったことから8月に保有していたネクステージを一旦売却していました。(そもそもネクステージに注目していた理由はこちら

しかし、ネクステージの2023年11月期決算発表後、今後の経営改革と成長を期待して2月に再投資を決断しました。

2023年決算概要から見えるネクステージの現状

ネクステージの4Q営業利益率は1.4%でした。これは、報道による来客数の減少(前年比70~80%程度)、それに伴うAA(オートオークション)への出品による1台あたりの利益減少が大きく影響したためです。

また、報道でも問題視された「インセンティブ制度」を廃止したことで付属品・金融商品の付帯ビジネスが減少しました。(付属品は70%ほどに減少した事実から“強引な営業手法が業績に繋がっていた”という現実を受け止める必要があると思います)

こうした状況下、来期予想は売上高17.6%増の5450億円、営業利益24.3%増の200億円(営業利益率3.7%)と中計の300億円(営業利益率6%)から大きく下方修正されました。

ネクステージに再投資する理由

そんな逆境の中、次の2点からネクステージに再投資する決断をしました。

①経営方針を一早く変更する決断力

ネクステージは一早く「インセンティブ制度」の廃止という不正が起こる根本原因を取り除く決断をしました。(これまでの責任をとって社長も交代)

「インセンティブ制度」はこれまでネクステージが成長してきた勝ちパターンの1つであり、それを変えるのは大きなリスクが伴います。(実際に4Qの業績にも影響しました)

しかし、中途半端にインセンティブ制度を縮小するより、一旦なくして、「新しい戦略」を立てるという決断が今のネクステージ、中古車業界にとって大事だと考えています。

すでに「新しい戦略」としてチーム制、プロセス評価、顧客満足度の向上というキーワードが出てきており、12月分(翌期1Q分)の動向から来客数や付帯ビジネスのわずかな回復傾向が確認できます。

ネクステージ2023年11月期決算説明資料より

業績の先行きに予断は許しませんが、問題解決のためにすべきことをする決断力の速さはネクステージの強みの1つだと考えます。(過去に中古車相場の下落に一早く対応したのもネクステージでした)

また、新規出店のペースを落とし、営業利益率3.7%と現実的な目標設定をしたことからも、ネクステージは「新しい戦略」を推し進める(経営改革)ことが24年度の最優先事項である決意を感じました。

②競争優位性は不変

中古車はネットで検索(地域+車種など)⇒希望車がある店舗へ来店という流れで購入に至るケースが主流なため、各地域に在庫をもち検索サイトで表示される率が高い大手販売店が有利な状況は今後も変わりません。

全体の在庫が多ければ、見込み客が実物車を見て「ちょっと違うな」と思っても「他店舗に良い車がある」と営業することができるため取りこぼしも少なくなります。(顧客側から考えても、他店に行き再度一から希望に合う車を探すのは面倒です)

ネクステージは地域に応じて総合店と買取店(実際は販売も行っている)をバランス良く出店しているため、全国の販売網が網の目のように年々強化されていくと思います。

加えて情報管理(どこの店舗でどの車種を何台置くか、中古車相場の変動に対応する在庫回転率の速さ)が重要であり、その点、ネクステージはここに強みがあるのも変わりません。

以上のことから、ネクステージは経営改革を推し進め、顧客の信頼を回復できれば現在の苦境を乗り越えられる可能性が高いと考えています。

今後に期待すること

まずは顧客に安心して買ってもらう・売ってもらう実績を積み上げることです。ライバルの動向や顧客の知識量で提示金額を変えるのではなく、適正な価格を最初から提示してほしいです。

中古車は1点ものであるため、きちんと説明すれば多少高くても大手のブランド力を生かして購入してもらえるのではないでしょうか。

次にIRの充実です。何を変えて、現在どこまでできるようになっているのか、今後の課題は何か説明する機会が増えることを期待します。機関向けも良いですが、個人投資家や社会に広く情報開示する機会が増えれば良いと思います。

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