競争優位性を「負けない戦略」と「確かな実行力」に分解する

株雑談

投資すべきか判断する際にその企業の「競争優位性」を第一に考えています。

最近はこの競争優位性を考える際に「負けない戦略」と「確かな実行力」という視点から確認するようにしています。

この考えは、「競争優位性」=「素晴らしい戦略」と捉えて何度も痛い目にあった経験からです。どんなに素晴らしい戦略でも実行できなければ意味がありません。

「負けない戦略」とは?

「負けない」という言葉にあまり前向きな印象を受けないかもしれません。

しかし「負けない」ということは「自分の強みを理解し、競合や代替品に顧客を持っていかれない戦略を描けている」という風に捉えることができます。

私が好んで投資する多店舗展開型企業においてオンリーワン企業は珍しく、たいていは競合が存在します。

その競合に対して、どういう点が優れているのか、競合が真似できない理由は何か、そうしたことを突き詰めて考えていき、素人である自分でも「これは他社に負けないわ」と感じられるほどの戦略を描けている企業を投資先候補としています。

派手に50%、2倍成長する素晴らしい戦略がなくても良いのです。毎期必ず15%程度成長できるほどの「負けない戦略」をもっている、その根拠が自分の中で腹落ちする企業を探しています。

「確かな実行力」とは?

企業の実行力を見極めるのは大変難しいことだと感じています。しかし、実行力を測らなければその企業に本当に競合優位性があるのか判断することはできません。

実行力を測る手段として、1つはこれまでの中計や決算説明資料を振り返り、宣言したこと・業績予想を達成できているか確認する方法があります。

派手な目標を掲げる割に、下方修正を繰り返す企業は実行力があるとは言えません。実行力を見る上では「言葉」よりも「数字」の方が信用できます。

2つめに経営陣と現場の社員が同じ目標を語っているかを参考にしています。

会社として何かを実行するためには、①社員にするべきことが伝わっているのか、②社員が同じ想いで動けているのかが大事です。この2つが満たされると自然と社員からも経営陣と同じ目標(同じ言葉遣い)が節々から出るようになってくるということを最近感じています。

社員の生の声は決算説明資料にはなかなか出てきませんが、採用ページであったり、業界の記事であったりに掲載されることがあります。

全ての企業で確認できるわけではありませんが、なるべく社員の記事を確認することで「この言い回しどこかで聞いたことがあるな(社長のインタビューでも言っていたな)」「実際に現場レベルで浸透しているんだな」ということを感じる場面があります。

「負けない戦略」があったとして「この企業(従業員)は戦略に沿ってすべきことを一人ひとりが理解して行動している」と思える企業にこそ競争優位性を発揮できる可能性があると感じています。

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