『ティ―ル組織』(フレデリック・ラルー著)を読む

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ユナイト&グロウの競争優位性の1つであるユニークな組織・文化は、「ティ―ル組織」と呼ばれる新しい組織の考え方と共通点があります。

ユナイト&グロウはティ―ル組織理論をもとに作られたわけではなく、コーポレートエンジニアにとって最適な組織づくりを目指した結果、ティ―ル組織に近付いたというのが実態かと思います。

しかし始まりはどうであれ、社長や従業員のインタビューから「ティ―ル組織」というワードが頻出しており、ユナイト&グロウに影響を与えているのは確かなため調べてみることにしました。

1.ティ―ル組織とは

ティ―ル組織とは、従業員一人ひとりが上司から仕事を与えられるのではなく、目的に向かって自由意思で行動し、かつ、全体で共鳴しながら経営していく組織スタイルです。

著書では、組織の変革としてレッド⇒アンバー⇒オレンジ⇒グリーン⇒ティールと進化・分類しています。ティ―ル組織では権力を集中させたリーダーは存在せず、現場においてメンバーが必要に応じて意思決定をしていく点に特徴があります。(くわしくは、こちら

ティ―ル組織のメリットとしては①従業員一人ひとりの自発性が高まり、創造力や生産性が高まること②状況に応じた対応策を立案できる柔軟な組織になること③組織へのエンゲージメントが高まり人材が定着すること、などが挙げられます。

一方でデメリットとして①一人ひとりのセルフマネジメントがないと成立しないこと②上司による進捗管理やリスク管理が難しくなること、などが挙げられます。

2.ティ―ル組織の3つの特徴

ティ―ル組織を成立させるために3つの特徴が必要になります。

(1)進化する目的

  組織の存在目的。目的はメンバー全員で日々見直し、進化していくことを前提とします。

(2)セルフマネジメント(自主経営)

 目標・目的に向かって自分で行動を決定していきます。通常、営業や経理といった分業ではなく、個人やチームですべて担います。

(3)ホールネス(全体性)

 組織内の心理的安全性を確保し、全メンバーが個性や能力を前面に発揮できる状態を作ることで、最大限の集団的知性を生み出します。

3.ティ―ル組織への感想

メンバー一人ひとりに決定権がありながら、全体としてはつながりと調和が取れているという点で大変興味深い組織です。

しかし、オレンジ組織(ピラミッド型組織)にどっぷりはまっている自分としては、”ティ―ル組織が実現可能な組織はだいぶ限られるのではないか”と感じました。

①一人ひとりに決定権が与えられるほどの独立性・創造性がある業務内容、②プロジェクトごとに役割が入れ替わりピラミッド型ではないキャリアパスを受け入れられる従業員、③ティ―ル組織に対する深い理解と忍耐力がある経営者 最低でもこの3つは必要になるのではないかと思いました。

ティ―ル組織では人と人の考えが異なるのは当たり前という前提のもと、「異なる意見が出た時にどうやって解決するか」「仕組みに変更が必要な時、どのようなプロセスをとるか」といったことを共通認識としてもっているところが魅力的だなと思いました。

おそらくオレンジ組織では「上司が認めてくれるか」「この課題・仕事は誰が担当すべきか」といった声には出せない悩みがたくさんあるのだと思います。

それに対しティール組織ではあらかじめ課題に直面した時の解決の道筋(解決策ではない)がはっきりしているため、組織や同僚に対してのストレスが低減されるのかなと感じました。

著書では、どんな組織でも、どのような規模でもティ―ル組織は実現可能だと述べられていますが、本当にそうなのか深堀していきたいです。

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