「良い戦略」「悪い戦略」(リチャード・P・ルメルト著)を読む。

株雑談

感想

「良い戦略」には網羅性やきれいな言葉は必要でなく、シンプルに他を圧倒するための道筋を示すことだと理解しました。

もちろん「良い戦略」を見つけるには様々な事象を分析する必要がありますが、それ自体が重要なのではなく、シンプルにそぎ落とす(いくつかの戦略を捨てる)ことで、すべきこと・優先順位がはっきりとし組織として方向性が定まるのだと思います。

また、良い戦略は一度決まれば永遠に作用するものでもなく、他社が真似できないように工夫したり、少なくとも数年間はより良いポジショニングが続くように行動したりすることが大事のようです。

この本を読んで、「良い戦略はシンプルである」「他社が同じ戦略を取れないのはどうしてか」という視点で企業を見ていこうと思いました。

企業分析やIR照会をする時に、今取っているAという戦略に注目するのではなく、「なぜBという戦略を取らなかったのか」という視点で考えてみるのも面白いかもしれませんね。

保有銘柄の「良い戦略」は何なのか

せっかく本を読んだので、今保有している銘柄について改めて自分なりに戦略と他社が真似できない理由をまとめてみました。

(1)きずなホールディングス 

<戦略>

家族葬の低価格から高価格までのサービスを取り揃え、ドミナント展開することで、成長性(葬儀件数)と収益性(葬儀平均単価)を両立させる

<他社が真似できない理由>

高価格サービス(葬儀のオリジナルプラン)を提供するにはノウハウが、ドミナント展開するには資金が必要だから(互助会や小規模な零細企業ではできない)

(2)プレミアグループ

<戦略>

独立系の立場を生かし車にまつわる様々なサービスを提供することで、中古車販売店・整備工場の有料会員化を進めてプレミア経済圏を確立させる

<他社が真似できない理由>

法の規制により、銀行の傘下企業では様々なサービスを提供できないから

(3)ユナイト&グロウ

<戦略>

コーポレートエンジニアにとって最適な環境や仕組み(成長機会、つながり、報酬、ワークライフバランス、誇り)を作ることで質の高い人材を集め、成長志向の中小企業が頼らざるを得ない状況をつくる

<他社が真似できない理由>

最適な環境や仕組みづくりは独自の企業文化(経営者のこだわり)と時間が必要だから

(4)ダブルエー

<戦略>

SPAによる徹底した経営効率化を図りつつ、ネットとリアルを生かした商品展開・サービス力で東アジア圏の女性顧客をファン化する

<他社が真似できない理由>

「女性靴」という流行り廃りがある市場において、SPAと的確な経営力がない限り、高い顧客満足度(品質・デザイン・価格・サービス)と経済性を常に維持することが難しいから

案外、どの銘柄もすっきりとまとめることができたので、この前提が崩れない限り、なるべく長く保有していきたいです。

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