エスプールの投資について思うこと

株雑談

エスプールへの投資は、これまでの自分の投資基準から考えると少し違う投資になっています。これまでは「単一セグメント」の企業への投資がメインでしたが、エスプールは「ポートフォリオ経営」を標榜しています。

「単一セグメント」の方が経営資源を集中させることで大手にも対抗でき、かつ、外から見て成長イメージを持ちやすいです。「ポートフォリオ経営」は分散という点で業績の安定には効果的ですが、多角化させることで成長率が落ちるイメージがありました。

では、なぜエスプールへの投資を決断したのでしょうか。

それは「初めからポートフォリオ経営を標榜し、同じ切り口で新規事業を生み出している」ことと「より利益率の高い事業を成長させようとしている」ことが分かったからです。

通常、1つの事業がある程度成長し企業に体力がついたところで、さらなる成長を求めて「ポートフォリオ経営」に移行していくパターンが多いです。企業からは既存事業とのシナジーが期待できるだとか、M&Aの良い案件があったとか説明されることが多いですが、実際は失敗することも多く、投資対象としてなるべく避けてきました。

しかし、エスプールはリーマンショック後の人材派遣サービスで業績を大きく成長させている頃から、ずっとポートフォリオ経営を目指していました。(この辺りは社長のインタビューを調べると分かります)

現在の主力になりつつある「障がい者雇用支援サービス」は2010年頃から取り組んできています。障がい者雇用支援は社会的に意義のある事業だと思いますが、面白いのは複数の企業が1つの農園を使うシェアリングという考えと、大手企業が取り組みたいけど本業があってなかなか取り組めない領域(アウトソーシングに近いイメージ?)に着目している点です。

人材派遣サービス(主にコールセンター)も複数の企業から受注し1か所で対応するシェアリングとアウトソーシングの考えがあり、全く異なる障がい者雇用支援サービスと実は共通点があります。最近注目のBPOサービスや環境経営支援サービスも、顧客は違えどシェアリングやアウトソーシングという同じ切り口から生み出された新事業です。

エスプールは、通常のポートフォリオ経営に移行していく企業とは違い、最初からポートフォリオ経営を標榜しているからこそ、会社として仕組み(本部で新規事業を構想し、上手くいきそうなら子会社化していく)があるからこそ、成功する事例が出てきている(実際には失敗も多くあり、過去の説明資料をさかのぼっていくとその歴史が分かります)のかなと思います。

そして既存事業の人材派遣サービスより障がい者雇用支援やBPO、環境経営支援サービスの方が利益率が高いという点もエスプールの面白いところです。

今までにない切り口(エスプールにとっては同じ切り口)で、他社ができなかった領域を切り開いているからこそ利益率の高い事業が生まれている(競合の少なさや先行者利益の獲得)のだと思いますが、エスプールのキャッシュフローを見ると年度によって多少ばらつきはありますが、既存事業で得た利益をより利益率の高い新事業に投資している様子が分かります。

この辺りも組織として考えが統一されているからこそ仕組み化(子会社は担当者に任し、社長は全体のグループ経営に集中する。適性や本人の意向を踏まえつつ会社をまたいで人材異動できる)されており、より独自性が際立っています。

こうした理由からエスプールへの投資を決断しました。自分としては新たな挑戦にはなりますが、①全体としては15%~20%成長を期待できる②現在主力の障がい者雇用支援サービスは多店舗展開型企業と同じ成長プロセス、③PERは15程度(ちょっと高かったけど)で購入という、これまでの投資基準とかけ離れないようにはしています。

上手くいくのか、失敗するのかは分かりませんが(少なくとも大失敗はないでしょう・・・)、エスプールにはそんな思いから投資しています!

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