きずなHDの本決算がありました。1Qの進捗から目標達成が不安視されていましたが、終わってみれば予想以上に順調な結果でした。
本決算の振り返りと注目ポイント
売上収益105億円(+13.6%)、営業利益11億円(+10.2%)、当期利益7億円(+17%)と会社の当初予想を上回る結果になりました。
重要KPIである新規出店は21店舗、葬儀件数は12413件(+15%)、葬儀単価は79万円と単価以外は好調でした。なお、葬儀件数は死亡超過の影響があり、単価は進行期現在一段と回復(85~88万円程度)している補足説明がありました。
注目ポイントとしては、3Q以降「オリジナルプラン」の増加に伴う葬儀単価の回復です。「オリジナルプラン」は高付加価値商品としてきずなHDの肝で、人員投資がこのプランの受注増に結びつきました。「人員投資したけどオリジナルプランは伸びなかった」では収益的に厳しくなるので、しっかりと結果が出たことで今後への期待感も高まりました。
次に21店舗の順調な出店と1/3がドミナント外縁への出店という事実です。ドミナント外縁へ出店していくという戦略が始まった年で、それが無事にできたということで安心しました。M&Aに頼らず自力で成長していく可能性がより高まり、2030年やさらにその先へ道が開けてきました。
来期、中期経営計画の実現可能性
ここからは本決算と合わせて公表された3か年の中期経営計画、説明動画から実現可能性を考えていきます。P/Lサマリーは以下の通りです。
![](https://rongotokabu.com/wp-content/uploads/2023/07/kizunah.png)
基本的な成長戦略骨子に変更はありません。葬儀件数の増加をやや保守的に見込み、葬儀単価はオリジナルプランの好調を受けて86万円程度に回復する前提です。
なお、決算を受けて次の2点をIRに確認しました。
・商品プランを見ると値上げしたように見えるが?-説明資料に掲載するエリアを変えただけで(誤解を与えて申し訳ない)、値上げを全社的に行ったわけではない。(最近の単価回復は値上げの影響ではない)
・葬儀単価の見通しはどういったプラン価格帯葬儀比率を前提としているのか?-詳細なプラン構成は開示していないが、おおむね23期4Q並みと理解いただきたい。
個人的な感想としては、「葬儀単価予想」が高すぎなのではと初見で思いました。しかし、動画やIRからの感触として会社としてはもう一段回上を見ているのではないか、と思いました。
実際に6月の月次では88万円を超えていること、オリジナルプランの比率が上昇していることからも達成に自信をもっている様子がうかがえるので、妥当な計画だと判断します。
葬儀件数に関してはこれまでの月次でも明らかな通り、外部環境やポータルサイトとの連携具合によって変動があるので、あまり予想や月次発表に一喜一憂する必要はないのかなと思います。
ただし長期的にはきずなHDの競争優位性(低価格からオリジナルプランまで家族の意向に合わせて最適なプランを提供できる)は不変なので、件数はしっかりと伸張していくと考えています。
キャッシュフローも問題なく、何よりも優秀な経営陣が有言実行な経営を行っているので中期経営計画も達成可能と見込みます。
投資判断
決算を受けて株価が大幅に上昇しています。一部利確しましたが、大部分を継続保有でいきたいと思います。
あまり投資判断に影響させても良くないと思うのですが、きずなHDはIRの返信が早くて非常に好感を持ちます。早いうえに丁寧に回答していただけて、いつも感謝しています。(ここで言ってもしょうがないけど)
きずなHDについては買値から2倍を超えましたが、まだまだ成長するストーリーを描いていますし、「葬儀に選択肢を与える」事業も社会的に意味のあるものだと思うので応援していきます!
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