本書は、店舗経営を成功させ今後「多店舗展開」していこうと考える経営者向けに、そのコツ(失敗しない方法)を解説した本です。
経営者向けに書かれた本ですが、ドミナント出店の注意点やキャッシュフローの大切さなど多店舗展開する企業に投資する人が読んでも企業分析する際に大変役立つ内容でした。
自分が特に気になったのは「人材育成」と「仕組み化(マニュアル)」の関連性です。
自分だけがもっている技術やノウハウを、「仕組み」として業務プロセスに反映し、またその「仕組み」の意味を従業員に伝えることこそ、多店舗展開を図るときには重要
多店舗展開を決意したなら、社長は現場へのこだわりを捨てて、自分の技術やノウハウを仕組み化し、人材に依存する経営から抜け出して、仕組みに依存する経営に転換することを考えなければなりません
最高レベルのマニュアルであっても、実際は70%の完成度、残りの30%は経営と現場で補完するものと考えるとよいでしょう。マニュアルは行動の規範であっても、固定的、制約的なものではないという理解が従業員に共有されれば、束縛と感じることはなくなります。
人材育成と仕組み化は相反するものではなく、両立するものと捉えることができます。むしろ「仕組み化」があってこそ、「人材育成」ができるといえそうです。
多店舗展開型企業で業績がブレる、人が多く辞めるという現象は、仕組み化ができていないという恐ろしい兆候なのかもしれませんね。
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