2月14日にグッドスピード23/9 の1Q決算、17日に説明動画のアップがありました。営業利益以下が赤字になるという衝撃の内容でしたが、IR動画で理由を聞いて納得できる部分もありました。振り返っていきましょう。
前期との比較
売上高は128億円(+6.5%)、営業利益はー1億7千万円でした。売上高の進捗率は17.2%です。赤字の理由は主力である四輪小売販売台数が3,375台(+7.1%)と伸びたものの、販管費がそれ以上の21.3%増えたのが原因です。(MEGA店舗は前期1Qが7店舗、今期は10店舗)
売上が想定ほど伸びなかった原因は①MEGA1店舗が災害の影響で稼働できなかったこと、②中型店の1店舗が改装のため営業できなかったこと、③買取を戦略的に抑えたこと、④12月の販売不振があるようです。
会社として1Qは赤字になる想定があったようですが、それでも赤字額は想定以下だったようです。
ここで、どれくらいの売上(販売台数)を想定していたのか勝手に考えてみます。営業利益が赤字になる想定が会社にはあったこと、販管費は会社として予想しやすいことから考えると、前3Qの実績ほど(売上140億)を想定していたのではないでしょうか。
売上140億円に対し、実績128億円ですから12億円程度のマイナスです。売上が伸びなかった原因の①、②は想定できたでしょうから、問題は③、④です。
まず③に関して、買取の抑制は期初からは計画してはいなかったようです。(IR確認)
買取の売上は前期12.7億円に対して今期6.9億円です。買取台数は順調に82%増ですから、実力的には13億~15億円は出せたはずです。あいだを取って14億円と想定すると7億円分の売上(在庫)を戦略的に抑えたといえます。
12億円のうち7億円が③の影響だとすると、④販売不振は5億円程度です。1台平均250万円ですから、200台分のマイナスがあったと考えられます。販売店舗数(MEGA10店舗+国産車専門店12店舗+輸入車専門店3店舗)で割ると、1店舗あたり8~10台程度足りなかった計算になります。
グッドスピードの競争優位性は変わるのか(私見)
業績が振るわなかった場合、これが一過性のものなのか、今後もずるずると引きずっていくものなのか判断する必要があります。
今回は「グッドスピードの競争優位性は変わらない。よって投資継続」という判断をすることにしました。理由は以下の3点です。
1つめに、1店舗あたりの販売台数はそこまで落ちていないということです。
既存店の販売台数が前期比94.7%というのが大きめの衝撃でした。しかしIR動画では清水鳥坂店の影響が丸々3か月分あったことに加え、中型店の輸入車専門店の閉店(CHAMPION76尾張旭店としてリニューアルオープン予定)が影響しており、1店舗あたりと考えるとそこまで(それでも会社想定よりは下だが)販売台数は落ちていないという説明がありました。
たしかに、計算すると1店舗あたり10台程度の未達なので、そこまで落ちていないという説明もつじつまがあうような気がします。
店舗あたりの売上(販売台数)が落ちるということは多店舗展開型のビジネスにとって根幹が揺らぐことになりますから、上記の特殊要因である程度説明できるところは安心材料です。
2つめに、冷静に考えてこの3か月でグッドスピードの競争優位性が急になくなるような変化は起こりえないだろうという判断です。
グッドスピードは、SUVに特化し在庫を多くもつことで、他店よりSUVを求める顧客に対してより満足度の高い車を提供することができます。また、在庫を多くもつことは中古車を買う時に利用するサイト上での露出が増え、集客の面でも有利な状況を作り出しています。
この3か月でこの状況が変化したかというとそうとは考えられず、だとすると一時的な不振と捉えた方がしっくりときます。IR動画によると、グッドスピードも1Q(主に12月の販売力)なぜ落ちたのか明確な理由は把握できていないようですが、1月は戻ってきている状況もあり、現時点で投資を止めるほどの状況ではないと思います。
3つめに、ネガティブな面が大きくて隠れがちだがポジティブな面もあるということです。
それは買取台数の増加と整備・板金の売上成長の復活です。どちらも数字上大きな影響を与える規模にはなっていませんが、ここの部分が成長することで後々大きな差になってくるはずです。特に、整備・板金は昨年度一時的な停滞がありましたが、会社説明通り、再び成長基調に戻れたことは数字以上に意味があったと思います。
まとめ
以上のことから、投資判断は継続です。今後の状況はまだまだ予断を許しませんが、成長ストーリーは崩れておらず、業績の挽回も可能だという判断です。
ところで、グッドスピードのような多店舗展開型のビジネスは比較的、想定との差が少ないだろうと甘く考えていましたが、「業績も株価も一発でこんなに変動することがあるんだな」と実感しました。グッドスピードへの投資比率が大きいため資産状況も大きなマイナス影響を受けましたが、今後はもう少し分散していく意識を持ちたいと思います。
頑張れ、グッドスピード!
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