リビングプラットフォームを購入

銘柄分析

2022年11月にリビングプラットフォーム(リビングPF)を購入したので、購入理由を記します。

リビングPFの基本情報

・介護(約85%)、障がい者支援(約5%)、保育(約10%)の3事業を展開

・北海道、東北、関東、関西などで、主に介護施設・グループホームを運営

・介護施設は自社開発+M&Aを活用して拡大中

・社長の卒業論文から事業構想がスタート

購入前の6つのチェック項目判定
①成長性は15~20%程度あるか
②利益率の改善が見込めるか
③競争優位性はあるか△~〇
④会社(社長)は投資家目線で信頼できるか
⑤バリュエーションは適切か
⑥銘柄特有のリスクは許容できるか

①リビングPFの成長性について

リビングPFは、施設数(介護施設、障がい者支援、保育所)の増加に伴って売上が拡大します。2022年に中期経営計画2024を発表し、「売上高増加率毎期20%」を掲げています。

この目標を達成するために中期開設計画も公表し、主力の介護だと、有料老人ホームを2023年に4棟、2024年に8棟、2025年に8棟開設する方針です。入居率を高めるという課題はありますが、この開設が計画通りにすすめば売上高も達成できるのではないでしょうか。

長期目線で言うと、2022年現在、売上高116億円のところ、10年後には1000億円、将来的には1兆円企業にすると社長は語っています。時間軸はともかくとして、現在の事業領域でそれほどの成長可能性があること、意欲があることを表していると感じています。

②リビングPFの利益率について

中期経営計画では、営業利益率の目標を2023年4.3%、2024年6%、2025年10.1%としています。利益率を改善できる根拠はどこにあるのでしょうか。「規模の経済」が働くこと以外に2つあるのではないかと考えています。

1つめに、新規の開設費用を既存施設の利益で吸収できるようになるのではないかと思います。チャームケアという介護施設を運営する企業も、2016年から一気に利益を高めることができました。(純利益2015年60→2016年236→2017年536百円)

介護施設運営企業は新規の開設費用はどれくらいかかるのか、既存施設の利益率はどれくらいなのかなど計算しやすいのが特徴だと思うので、リビングPFの急激な利益率改善もあながち達成不可能な目標ではないのではないかと思います。

2つめに「粗利ミックス」が考えられます。リビングPFは、介護施設といっても住宅型有料老人ホームと許認可の介護付き有料老人ホーム両方を運営しています。

リビングPFの資料によると、住宅型有料老人ホームはサービスを提供した分だけ売上になるので営業利益率13.5%(60人定員90%稼働)の一方、介護付き有料老人ホームはサービスの有無に関わらず一定で21.1%(60人定員90%稼働)が可能だと説明されています。

今後は介護付き有料老人ホームを優先的に開発していく方針で、2023年の開発計画を見ても介護付き3施設、住宅型1施設になっています。このあたりが営業利益率が高まる根拠になりそうです。

③リビングPFに競争優位性が感じられるか

主要都市の駅近隣に施設を構えながらボリュームゾーンである15万円以下(特別養護老人ホームとも競合可能)の価格帯で事業拡大できていることがリビングPFの強みだと説明されていますが、圧倒的なのかは正直よく分かりません。

しかし、市場が拡大する施設介護業界でボリュームゾーンで勝負できること、80%台後半の入居率の高さ(まだ改善余地はあるが)から今後も成長が期待できると考えています。

もう1点、運営する障がい者グループホームの近くに介護施設があるため、障がい者への働く場の提供にもなっていることが挙げられますが、どれほどのシナジーがあるのかは不明です。

④リビングPFの社長(会社)は投資家目線で信頼できるか

リビングPFの金子社長の経歴はとても興味深いものがあります。

卒業論文の「持続可能な社会保障制度を構築する」研究から民間によるサービス(施設介護など)の重要性に気付き、一旦医療・介護の経営支援をする会社に入社(経営ノウハウやM&Aについても学んだと思われる)、2011年にリビングPFを設立し、北海道から始め、関東圏、首都圏でも通用する介護施設を運営できるようになりました。

2020年に上場し、さらに企業規模を拡大させて、ゆくゆくは日本の持続可能な社会保障制度を構築する(その一翼を担いながら)提言を国に対して行っていきたい構想があるようです。

それらの思いが、会社のIRとして中期経営計画やマンスリーレポート、ステークホルダーの皆様への手紙として形になっています。現在はコロナの影響により業績面で不安な部分もありますが、なぜ会社を大きくしたいのか、そのためにどのような戦略を取っているのかが一貫しており、信頼できる会社だなと勝手に感じています。

このブログの趣旨である「道徳と経済(利潤)のバランスがある投資」に最も合致した企業であり、長期で応援したくなる企業です。

⑤バリュエーション

リビングPFの購入で一番迷ったのが、バリュエーション(購入タイムング)です。購入時PERは29倍だったものの、2022年2Q決算で株価が下がったところを、中期経営計画2024が達成できるとすればかなり割安だと判断して購入に踏み切りました。

正直、購入タイミングとして適切だったのかはまだよく分かりません。しかし、長期で見れば有望だと思っているので、さらに株価が下がることがあれば買い増しも検討したいと思っています。

⑥リビングPFの銘柄特有のリスクについて

施設の開発費用がかさみ、自己資本比率(13%程度)がさらに低下したり、増資が行われたりするのではないかというリスクがあります。

しかし、中期経営計画2024ではPLだけでなくBSの計画も示されており、それによれば自己資本比率は27%まで上昇することになっています。増資をするわけではなく、利益の積み上げと自社所有不動産の売却で達成できる見通しのようです。

先を比較的見通しやすいビジネスモデルと社長の発言から、会社の発表を信用しようと思います。

また、入居率が改善するかというリスクがあります。他の上場している介護施設運営企業を見ると、90%台後半というところもあるので、リビングPFが今後入居率を高めていけるか懸念があります。コロナ(や国の政策)に影響される部分もあるので、この部分は今後ウオッチしていく必要がありそうです。

ということで、事業の公共性や成長性を考慮すれば主力候補銘柄なのですが、PERの高さやまだまだ不安な部分もあるのでポートフォリオでいうと3番手の位置づけです。今後に期待大です!

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